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ゲーム紹介・レビュー 忌火起草

雑記 2015.04.15 Wed

忌火起草

プレイステーション3 セガ 2007

2007年にセガが発売したサウンドノベル。2006年から2008年にかけて行われたセガ・チュンソフトの共同開発事業「セガ×チュンソフトプロジェクト」によって世に送り出された作品の一本である。後には追加のシナリオを収録した「忌火起草 解明編」が異なるプラットホームである任天堂Wiiで発売された。

物語は現代の日本を舞台としたミステリー。関わってしまったものたちが次々と謎の焼死を遂げるという曰くつきのドラッグ“ビジョン”がその主題であり、主人公「牧村弘樹」が所属する大学の野草研究サークル内でこのドラッグが流行しはじめる時点から物語が展開していく。ゲームシステムは画面に表示されていく文章を読み進め、要所で現れる選択肢の結果によって物語が展開していく…というサウンドノベルの基本的な体裁をとっており、これらの選択肢を駆使して“ビジョン”をめぐる一連の怪事件の真相にたどり着くことがプレイヤーの目的となる。

サウンドノベルとして特徴的な要素としては、物語のセリフ部分がフルボイスとなっている点や、文章の背景がイラストなどではなく基本的に実写によるものが用いられていることなどが挙げられる。これらの要素の意味合いは思いのほか高いもので、とかく気休めの静止画を添えて、「文字を追うだけ」になりがちなサウンドノベルに臨場感を持って楽しむことができ、非常に効果的な演出である、と思っている。特に本作はあらすじからも察することが可能なように「恐怖」を多く含んでいる作品であるのだが、恐怖表現に臨場感という要素が重要となることはいうまでもなく、相乗的な効果を発揮していると感じた。

演出面に関しては高い水準でまとまっているといえる本作であるが、肝心のシナリオ部分については不満点も多い。

本作「忌火起草」のテーマとして挙げられている“ドラッグ”と“それに関わった者の死”。おそらく大多数のユーザーがこのあまりに現代的なテーマを見た時、想像するものといえば、あくまで現実的な要素、つまりは「自然科学」の範囲内で話を進めていくリアル志向のミステリーであって「超常現象」の絡むファンタジーでは決してない…という意識ではないだろうか?筆者もそのひとりである。ところがこの作品はドラッグなどという現代の極地とでもいうような物体をテーマに掲げながらも物語の中盤以降当たり前のように霊体のようなオカルト・超常現象的な要素が登場してくるのである。この登場があまりにも唐突であり、それまで「ファンタジー」の絡まない「リアル」な物語であるという前提で先の展開を推理したり、想像したりしていたプレイヤーにとっては耐え難い物語上の不協和音となる。「外から操作の出来ない密室内に犯人は見事侵入し、殺人を犯した。さて、真相は…と問われ、答えが「犯人は魔法使いで壁を抜けることができた」で納得できる者が果たしてどれだけいるだろうか?本作の問題点はここに集約されている。なまじドラッグという言葉に現代的現実的すぎる響きが存在するため大多数のプレイヤーが「リアル志向のミステリーである」と錯覚を起こすこと、中盤以降の「霊体のしわざだった」というデウス・エクス・マキナ登場までは物語が「リアル志向」の仮面をかぶったままファンタジーの予兆を出さない点(おそらくは確信的に行われている)などが中盤以降の展開の圧倒的な肩透かし感につながっており、物語構成上の重大な欠点と言わざるをえない。

オカルト・超常現象などが「有り」の世界観ならばはじめにその旨を提示するべきであると思う。物語の題材も事件への導入も非常に良く出来ている作品で、少なくとも序盤は読み進める期待感が大きかった作品であるだけに中盤以降の「呪い」の一言で「なんでもあり」な超常現象の登場は残念である。超常を絡めずにこのドラッグという魅力的な題材を料理することは不可能だっただろうか…と感じてしまう。
 
 

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