アムジスト雑記

ゲームに登場するセリフ・ファイルなどの各種テキストを書き起こしていきます。

 

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CD感想:DIAURA「RUIN」

DIAURA「RUIN」

1.RUIN
2.桜サクラメント
3.from under

2015年にリリースされたDIAURAのシングル作品である。2015年はその末に発売が予定されていた初のベストアルバム「INCOMPLETE」にバンド全体が注力していた寡作の年であるため、「INCOMPLETE」以外では本作「RUIN」が唯一発表された音源となっている。寡作ゆえに力が集中した結果か、「INCOMPLETE」と同様に「RUIN」も、このバンドの過去の作品と比較してみても、高位に位置するであろう出来となっている。

一曲目の「RUIN」は“破滅から始めよう”というキャッチコピーに違わず終末感を演出した楽曲。非常に気に入った楽曲だが特に気に入っている点としてはまず、「イントロで鳴り響く不協和音的な印象を受ける音色」であろうか。世界の終末、そのはじまりにはトランペットの音色が響き渡り、人はそれによって終末の始まりを知る…というのはあまりにも有名な教義のひとつだが、感覚としてはまさにそれに近いものがあった。この音色によって、ユーザーにこの「RUIN」という世界観のはじまりが告げられる、わけである…。最も気に入っている部分は「壊して この手のひらの希望を引き換えに捧げるから」のコーラス部分である。このバンドのボーカルであるyo-kaはそのハイトーンの声質と歌唱力に定評がある人物であり、こちらは難しく考える必要もなく、単純に「よかった」。

この歌詞については作詞者曰く「自爆テロ」を題材としているということであるが、先述のコーラス部分や「無実の瞳を赤い血で染めてそれさえ犠牲に差し出した」「明日を乞うより尊いものはこの瞬間だけで」といった歌詞を見るとなるほどとその意味が明瞭に理解できる。DIAURAが特色としている、このような社会問題や哲学的事象に踏み込んだ歌詞世界はもともとわたしの好みとするところであるのだが、この作品については“破滅から始めよう”というキャッチコピーと自爆テロを描いた歌詞世界の繋がりが深く、巧みであり、特に気に入っている。

二曲目の「桜サクラメント」は一曲目とは打って変わってのバラード調の楽曲であり、こちらもお気に入り。yo-kaの並外れた歌唱力が光る作品であり、特に後半の間奏からの最後のコーラスに繋がる流れはただただ「美しく」、はじめての視聴の段階から心を動かされた。ドラマティックな曲構成を支えるシンセサイザーなどの用い方が目立つ作品である。

二曲続けて素晴らしい体験が可能な本作であるが、おしむらくは三曲目に収録されている楽曲である「from under」である。この楽曲についてもその内容は良いものではあり、十分気に入ったものではあったのだが、ここまでの「RUIN」「桜サクラメント」の二曲ほどには圧倒的ではなく、聴いていて、やや見劣りする感が拭えなかった。

「RUIN」「桜サクラメント」にやや「from under」が押されている印象はあるものの、全体に高品質であることには疑いの余地がなく、非常に良いシングル作品である、というのが全体の感想である。
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CD感想:La'cryma Christi「Sculpture of Time」

La'cryma Christi「Sculpture of Time」

1.Night Flight
2.南国
3.Sanskrit Shower
4.Ivory trees
5.Angolmois
6.Letters
7.偏西風
8.ねむり薬
9.THE SCENT
10.Blueberry Rain

La'cryma Christiのメジャー流通では一枚目のアルバムであり、未だ比肩するものの無い強烈な独自性を持つ名盤。La'cryma Christiはいわゆる「ビジュアル系」に分類されるバンドではあるが、その楽曲はこの界隈に特有の「暗く」「冷たい」ものにはまったく当てはまらず、おしなべて、まるで正反対の「明るく」「暖かい」ものとなっている。「ビジュアル系において明るく暖かい」この一点のみにおいても、「未だ比肩するものの無い強烈な独自性」を成り立たせるには十分な材料ではあるが、このLa'cryma Christiというバンドでは、この上に、世界各国のエスニックなモチーフを取り入れた「独自な世界観」、いわゆる「プログレッシブ・ロック」に分類され、前衛的な構成が多く見られる「独自な曲構成」とが併用されており、この複数の局面において散見され、従来の「ビジュアル系」の型に当てはまらない要素こそがLa'cryma Christiを「未だ比肩するものの無い強烈な独自性」と称する所以である。

このアルバムに収録されたシングル曲のひとつである「南国」のミュージックビデオがオセアニア、パラオで撮影されたこと、「南国」「偏西風」といった曲名からも明白なように、前述の「エスニックなモチーフ」の中でもこのアルバムは、インディーズ時代に発表された「Dwellers of a Sandcastle」に収録されている「カリブで生まれた月」などの世界観を引き継ぐ形で、赤道が通り…青い海が広がり…緑が茂り…生暖かい雨が降り…といった、南国的イメージを特に強調しており、全曲に通底してこの世界観が存在している。一曲一曲がほぼ切れ目なく繋がる形で十曲が存在しており、抽象的な表現を用いるなら、この作りによって、まさに一曲ごとに「南国」の別々の風景へと旅をしていくような…感覚を味わえるのである。

十曲目に収録された「Blueberry Rain」の歌詞の最後に一曲目のタイトルである「Night Flightへいこうよ」と事実としてあり、「リピート再生」を行うことにより再び切れ目なく始まる、南国への旅が再開する…作りとなっていることは、バンド側からのこうした演出的意図が明確に感じられる事柄だといえるだろう。この点ではある意味で、La'cryma Christi「Sculpture of Time」は「南国」というコンセプトアルバムである、ということが出来るかもしれない。

暖かな南国を連想させる楽曲で固められているがゆえに、収録されている楽曲がどれも「優しすぎる」感は残念ながら禁じ得ないため、このアルバムをはじめて聴いた際の精神状態によっては、楽曲がどうも響いてこないということもあるかもしれない。そのような思いを抱いたユーザーでも、出来れば、「別の精神状態での」再度の視聴を勧めたい一枚である。

ビジュアル系の発展段階において突然変異的に現れた名盤であり、「おすすめ出来る」曲は全てであるが、強いて挙げるのであれば二曲目に収録されている「南国」であろうか。先に述べたとおりアルバム全体に「南国的な世界観」が満ちているため、ユーザーによっては楽曲のひとつひとつの印象が薄くなってしまうという可能性も無きにしも非ずなのだが、この曲に関してはシングルで発売された作品ということもあり、非常にキャッチーで聴きやすく、印象にも残りやすい楽曲となっているためである。
 
 

CD感想:the GazettE「SHIVER」

the GazettE「SHIVER」

1.SHIVER
2.HESITATING MEANS DEATH
3.奈落

the GazettEの十六枚目のシングル。一曲目に非常にキャッチーで聴きやすい楽曲であるSHIVERを据えたうえで、二曲目には激しく重い「HESITATING MEANS DEATH」を配置、三曲目を静かながら劇的に歌い上げる「奈落」で締めくくる…という王道的な構成が取られている。白眉となるのはなんといっても、三曲目の「奈落」であろう。この楽曲は現在アルバムなどに収録されたことなく、聴くことが出来るのはこのシングルのみ、さらには「初回限定盤」「通常盤」の後者だけに収録のボーナストラック…と、このバンドの全楽曲の中でもあまり光の当たらない位置づけを与えられているものの、楽曲としてはこのような位置づけであるのが信じられない完成度を持っていると感じた。

このthe GazettEというバンドのボーカルであるRUKIは、本来声を響かせることが難しいはずの「低音部分」において強烈な歌唱を行うことが出来るという、明確な特徴を持ったボーカリストであるが、そのような歌唱の個性はやはり、比較的にゆっくりとした展開で、劇的に歌い上げるという楽曲でこそ真価を発揮するものであろう。このバンドの中でも評価の高い作品が「PLEDGE」「Casiss」 「紅蓮」、古くは「東京心中」「花言葉」など、この要素を持つものが多いのは周知のとおりだが、「奈落」はそれらの作品に比肩しうる力を持つのでは?と、あくまで主観の世界ではあるが、筆者は考えている。

また、このシングル作品はその曲順においても特筆すべきものがあり、一曲目の「SHIVER」から軽快に開始し、二曲目の「HESITATING MEANS DEATH」で激しくなった流れが、三曲目の「奈落」で一挙に鎮まるという、まさに奈落へと落ちていくようなアップダウンが体験できるという、曲順の妙を感じさせてくれる作りとなっているのである。

ここでは「奈落」を中心に述べたが「SHIVER」「HESITATING MEANS DEATH」も極めて質の高い楽曲であり、このバンドのシングルの中でも、第一等に位置する作品であるのは間違いないであろう。
 
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